認知機能というと、一般にイメージしがちなのは「記憶力」でしょうか?
記憶力は短期記憶・長期記憶の2つがありますが、認知機能とは記憶力以外にも、私たちが考えたり、注意を向けたり、物事を判断したりするための脳の働きのことです。
これには、物事を理解する力、問題を解決する力、注意を集中させる力、記憶する力などが含まれます。簡単に言うと、認知機能は「頭を使う力」のことです。
認知機能の種類
認知機能にはいくつかの種類があります。それぞれの機能がどのように働くのかを見てみましょう。
1.記憶
短期記憶:短い間だけ情報を覚えておく力です。例えば、電話番号を一時的に覚えるときに使います。
長期記憶:長い間情報を覚えておく力です。例えば、誕生日や自分の名前を覚えているのは長期記憶のおかげです。
2.注意力
選択的注意:たくさんの情報の中から必要な情報だけに集中する力です。例えば、教室で先生の話を聞くときに使います。
持続的注意:長い時間集中し続ける力です。例えば、宿題をするときに使います。
3.判断力
物事を正しく認識し、目的に応じて必要なものや手段を選ぶ能力です。例えば、目的に応じて正しいバスや電車に乗るときに使います。
4.見当識
時間や空間の全体的なイメージや、物の配置を正確に把握する能力です。例えば現在の日付や曜日と照らし合わせて約束通りに待ち合わせしたり、部屋に片づけた貴重品を探し出すときに使います。
5.遂行力(段取り力、テキパキ力)
物事を計画したり、優先順位をつけて効率的に進めたりして、目的を成し遂げる力です。例えば掃除や片付け、調理などの家事を段取り良く進めてゆくときに使います。
6.思考
論理的思考:物事を順序立てて考える力です。例えば、数学の問題を解くときに使います。
創造的思考:新しいアイデアを考える力です。例えば、絵を描いたり、物語を作ったりするときに使います。
7.言語
言葉を理解したり、使ったりする力です。例えば、本を読んだり、友達と話したりするときに使います。
8.計算
足し算引き算、掛け算割り算といった計算をする力です。例えばバスに乗り遅れないように時間を確認したり、買い物の際にお釣りを用意するときに使います。
認知機能の発達
認知機能は、子どもが成長するにつれて発達していきます。赤ちゃんのときは、周りのものを見たり、触ったりすることで学びます。少し大きくなると、言葉を覚えたり、簡単な問題を解いたりすることができるようになります。学校に行くようになると、さらに複雑なことを学び、考える力が強くなります。
認知機能を高める方法
大人になった後も認知機能は向上します。認知機能を高めるためには、いくつかの方法があります。
1. 運動(うんどう)
体を動かすことで、脳の働きが良くなります。特に、外で遊ぶことはとても大切です
2. 睡眠(すいみん)
十分な睡眠をとることで、脳がしっかりと休むことができ、次の日にまた元気に働くことができます。
3.ゲーム(げーむ)
パズルやボードゲームなど、頭を使うゲームをすることで、問題解決力や注意力が高まります。
4. 読書
本を読むことで、言葉の力や理解力が高まります。
まとめ
私たちはおしゃべりをする、買い物する、公共交通機関を利用するなどの日常生活の中で、数多くの認知機能を駆使しています。認知機能は、私たちが日常生活を送る上でとても大切な力です。
認知機能は子どもが成長するにつれて発達していきますが、大人になった後でも、適度な運動や睡眠の習慣、読書やゲームなど、いろいろな方法で認知機能を高めることができます。
毎日少しずつでも、頭を使うことを意識して生活すると、認知機能はどんどん良くなっていきます!